教えて!ニックスのコーナーです。
今回はプラスチックをはじめとした資源ごみの分別回収と様々なごみの最終処分についてのお話です。
東京23区内には21ヶ所の清掃工場と2か所の不燃ごみ処理センターがあり、焼却灰や産業廃棄物等は最終的に埋立処分場に埋め立てられています。
プラスチックの資源回収
日本においてごみの分別が推進されたのは1960~70年代の高度経済成長期です。
大量生産・大量消費を背景にごみの増加や多様化、それに伴う公害問題がきっかけと言われています。
分別は推進されたものの、その後もごみは増え続け最終処分場がひっ迫したため、家庭ごみの約60%を占めていた容器包装廃棄物の減量と資源の有効活用を図る目的で1995年に容器包装リサイクル法が制定されました。
2022年には廃プラスチック問題や環境問題への対応としてプラスチック資源循環法が制定されています。
このように現在の分別・回収方法に至るまで、目的に合わせて法律が制定され、様々な施策が行われてきました。
プラスチック資源として代表的なペットボトルの取り組み例
【全国】1990年代初頭 リサイクルの取り組みがスタート。
3Rの啓蒙活動など。
【東京】1997年 PETボトルの店頭回収が開始。
2008年 23区全域で集積所回収が開始。
※2022年度 日本国内のPETボトルリサイクル率は86.9%
プラスチックの分別方法の変更
東京23区では昨年から今年にかけて多くの区でプラスチックごみの分別回収のルールが変更となり、プラスチックの一括回収がスタートしました。これによりプラスチックの分別にかかる負担が軽減されるほか、収集運搬の効率化、リサイクル率の向上が期待されています。
■一括回収がスタートした主な自治体 ※令和6年10月時点
仙台市:令和5年4月~ 名古屋市:令和6年4月~ 横浜市:令和6年10月~
主な変更内容
これまで食品用トレーやプラスチック製ボトル容器のみを「資源」として分別していましたが、卵のパックやプラ製ハンガーなど、すべてプラスチックでできている製品についても分別区分が「資源」に変更されました。¹⁾
一部、プラスチックでできていても小型電子機器は回収ボックスに、中身や汚れが落としにくいプラスチック(マヨネーズの容器など)は燃やすごみにするなど資源回収の対象外になるものもあります。
ごみの処分方法の違い
1.可燃ごみ(生ごみ、紙類、プラスチックなど)
可燃ごみは清掃工場にて800℃以上の高温で焼却して灰にしています。実は家庭から出される生ごみの80%は水分のため、燃やせば燃やすほど焼却炉の温度が下がり、焼却の効率を悪くする原因にもなっています。燃焼温度を保つために、直接灯油や都市ガスを使用している場合もあるそうです。
一方でプラスチックは石油から作られており高温で燃えるため、焼却炉内の温度を高く保つ役割も担っています。
2.不燃ごみ・粗大ごみ(家電製品、ガラス、金属、家具など)
不燃ごみと粗大ごみはそれぞれ不燃ごみ処理センターと粗大ごみ破砕処理施設にて15㎝以下の大きさになるまで細かく砕き、鉄やアルミニウムを資源として集めています。
その後、燃やせるものは清掃工場にて焼却処分を行い、燃やせないものは埋め立てています。
3.資源(新聞・ビン・缶・ペットボトル・その他プラスチックなど)
分別された資源ごみは民間のリサイクル事業者やリサイクルセンターによって再資源化・再製品化(マテリアルリサイクル)されています。
また、プラスチックの分別方法の変更により資源として回収されたプラスチックについては、圧力や熱を加え、元々のガスや油、モノマー等に戻し再利用(ケミカルリサイクル)されています。
最終処理
清掃工場で出た焼却灰や細かく砕いた不燃ごみ、下水汚泥、産業廃棄物等は最終的に埋立処理を行っています。
埋立処分場を長く使用していくために、焼却灰の一部は民間のセメント工場や資源化施設へ運搬し、セメントや道路工事の材料として資源化されています。
中央防波堤外側埋立処分場の様子
今回はごみの分別やその後の処理についてのご紹介でした。