プラスチックの種類②|教えて!ニックス 第8回

2023年5月8日

プラスチックの種類②

プラスチックって他にも種類があるの?

教えて!ニックスのコーナーです。
今回は前回に引き続き、様々なプラスチックの特徴についてご説明します。

生活に根差したプラスチック

前回は4大汎用プラスチックの特徴と主な用途をご紹介しました。
汎用プラスチックは、プラスチックの中でも約8割の生産を占める一般的な熱可塑性樹脂のプラスチックです。
今回は、4大汎用プラスチックのほかに日常でよく目にするプラスチックをご紹介いたします。

特徴と主な用途

1.アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)

ABS樹脂はアクリロニトリル(A)、ブタジエン(B)、スチレン(S)という3種類の成分の特性を備えた、優れたプラスチックです。耐衝撃性を有しており、成形加工や塗装といった二次加工のしやすさが特徴です。
また光沢性に優れているため、プラモデルや自動車部品など外観の美しさが重視される製品やカーナビの筐体等に使用されています。

カーナビ

2.ポリエチレンテレフタレート(PET)

ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールを結合させて作られた樹脂です。透明性が高く、耐寒性や強度に優れていることが特徴です。ペットボトルの材料としてよく知られていますが、衣料用の繊維やフィルム等にも用いられています。
PETはリサイクルがしやすく、利用後のペットボトルの多くは食品トレイや卵のパック、繊維製品として再商品化されています。また最近では飲料用ボトルに再利用するボトルtoボトルという取り組みも行われています。

ペットボトル

3.アクリル(PMMA)

アクリル樹脂は合成樹脂の中で極めて高い透明性と屋外でも劣化しない耐候性を持つ樹脂材料です。風防ガラスとして昔から使用されていました。
優れた強度と透明性、耐候性を持っていることからプラスチックの女王と言われています。用途としては、照明器具のカバーや水槽、ショーケースなどが挙げられます。

ショーケース

4.ポリアセタール(POM)

POM樹脂は、ポリオキシメチレン(Polyoxymethylene)を略したものです。ポリアセタールは強度や耐摩擦性、耐薬品性に優れた特徴や高い温度安定性から、金属の代替品に使われています。吸水性も低いことから、シャワーヘッドやコーヒーメーカーの部品などの家電製品やギア、シートベルトなどの自動車部品に利用されています。

プラスチック歯車

5.ポリカーボネート(PC)

ポリカーボネートは透明性と耐衝撃性が高いことが特徴のプラスチックです。一般用途だけでなく、高い衝撃性を活かしヘルメットのような特に耐衝撃性を求められる製品でも使用されています。
さらに寸法安定性や耐熱性にも優れており、用途としてはヘッドランプやCD、スマートフォンケースが挙げられます。

ヘルメット

6.ポリアミド(PA)

ポリアミド樹脂は強度が高く、優れた耐摩耗性を持っており合成繊維として開発されました。開発当初は染色性にも優れていることから漁網やファスナー、衣類等の製造に使用されていました。様々なポリアミドが開発されたことにより、現在ではポリアミドの約30%は自動車部品として使われています。
世界で最初にポリアミドを合成したデュポン社が開発したポリアミドの製品名である「ナイロン」が普及したため、ポリアミドはナイロンと呼ばれることもあります。

ナイロン 漁網

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