プラスチックの簡易判別|教えて!ニックス 第16回

2024年1月8日

プラスチックの種類ってどうやって見分けるの?

皆さんこんにちは。教えて!ニックスのコーナーです。

日常生活において私たちは多くのプラスチック製品に囲まれて生活していますが、プラスチックの種類は様々です。今回は私たちの身近にあるプラスチックの種類について簡易的な判別方法をいくつかご紹介したいと思います。

1. 外観(透明性)の違いと用途で見分ける

最も単純な方法ですが、「透明かどうか」「何に使われているか」を元にある程度種類を推測することが可能です。是非参考にしてみてください。

透明性想定される
プラスチックの種類
使用例
透明・無色アクリル(PMMA)飛散防止パネル・キーホルダー・アクリルスタンド
ポリエチレンテレフタレート(PET)ペットボトル・卵パック
ポリカーボネート(PC)車のヘッドライトカバー・メガネ・カメラレンズ
ポリスチレン(PS)コンビニ弁当のフタ・スプーンやフォーク
軟質塩ビ(PVC)デスクマット・ビニール傘・チューブ
硬質塩ビ(PVC)下敷き・パイプ
AS樹脂扇風機の羽根・車のメーターカバー
半透明ポリエチレン(PE)レジ袋・ラップ
ポリプロピレン(PP)プリン等のカップ・クリアファイル等多数
不透明ナイロン(PA)車の部品・コネクター・カーテン・ストッキング
ABSプラモデル・車のドアミラー・リコーダー・スーツケース
ポリアセタール(POM)歯車(ギア)・ファスナー

ショーケース

レジ袋

ギア

2. 曲げた時の変化の違いで見分ける

強引な方法ですが、薄いものや細い物は曲げた時の変化で大別が可能です。

曲げようと力を加えた時の変化想定されるプラスチックの種類
割れるアクリル(PMMA)
ポリスチレン(PS)
AS樹脂
曲げた部分が白くなる硬質塩ビ(PVC)
ABS
自由に曲がる
割れや白化が起きない
軟質塩ビ(PVC)
ポリプロピレン(PP)
ポリエチレン(PE)

デスクマット

3. 硬さ(傷つきやすさ)の違いで見分ける

鉛筆で筆記した際に傷が付くかどうかでも大体の見当が付きます。
濃い鉛筆(4B等)から徐々に硬い鉛筆に変えた時にどの時点で傷が付くかを試してみてください。

鉛筆で書いた時の傷の状況想定されるプラスチックの種類
2Bの鉛筆で傷が付く物ポリエチレン(PE)
Bの鉛筆で傷が付く物ABS
ポリカーボネート(PC)
2Hの鉛筆で傷が付く物ポリプロピレン(PP)
軟質塩ビ(PVC)
ナイロン(PA)
ポリスチレン(PS)
3Hの鉛筆で傷が付く物アクリル(PMMA)
4Hの鉛筆で傷が付かない物硬質塩ビ(PVC)
ポリエチレンテレフタレート(PET)

鉛筆
※表面に特殊コーティングが施されている物は硬さが変わってしまい判別が出来ません。

4. 水や食塩水に入れて浮くかどうかで見分ける

プラスチックの比重の違いを利用した判別方法となります。
身近でよく使われているPPやPEは水に浮き、それ以外のほとんどのプラスチックは水に沈みます。

水・食塩水に入れた時の挙動想定されるプラスチックの種類
水に浮くポリプロピレン(PP)
ポリエチレン(PE)
水に沈み
食塩水に浮く
ポリスチレン(PS)
ナイロン(PA)
食塩水に沈むアクリル(PMMA)
ポリカーボネート(PC)
軟質塩ビ(PVC)
硬質塩ビ(PVC)
ポリウレタン(PU)
ポリアセタール(POM)
ポリエチレンテレフタレート(PET)

水に浮かぶ花
※食塩水は約15%の濃度(100㏄の水に食塩18gを加える)にしてください。

今回はプラスチックの簡易判別についてのご紹介でした。
正確な材質を知る為には専門機関への依頼や分析装置による成分分析が必要となりますが、上記のような簡易識別でもある程度判別する事が可能です。身近なプラスチックで是非試してみてください。

ありがとうございました!

教えて!ニックス

次回もお楽しみに!

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