表面処理による親水性の向上|教えて!ニックス 第18回

2024年3月8日

プラスチックの加工について教えてください!

皆さんこんにちは。教えて!ニックスのコーナーです。
私たちニックスではクリアファイルや食品等のパッケージを多く取り扱っており、その中には印刷を行う商品も多数ございます。
今回はプラスチックに印刷を行う際に必要となる表面処理(親水性の向上)について実際に加工を行い、その効果を確認してみましたので簡単に紹介いたします。

印刷クリアファイル

表面処理と親水性

表面処理(コロナ処理)

PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)に代表されるポリオレフィン系の素材は濡れ性(親水性)が悪く、表面処理を行わなければインクを弾いてしまいます。
そこでよく用いられるのがコロナ処理です。コロナ放電照射装置から照射されている紫色の部分(コロナ放電)を改質したい素材に直接当てる事で表面処理を行います。
コロナ処理によって素材の親水性が向上する(表面張力が大きくなる)ことでインクが付きやすくなります。

コロナ処理

親水性(接触角)の測定

接触角イメージ

素材表面の親水性は接触角を測定する事で簡単に確認ができます。
接触角とは素材と液体の接する部分の角度を指しており、接触角が大きいと撥水性が高く、接触角が小さいと親水性が高いということになります。

実際に接触角の測定画像の通り、コロナ処理前と後では親水性が向上しており、接触角が小さくなっていることが確認できました。
※コロナ照射距離:5mm/電圧:9Kv/照射時間:0.2秒

接触角計測
■接触角計による測定

今回はプラスチックの親水性向上の為のコロナ処理と測定結果のご紹介でした。
強度(照射時間)を変えてみると効果に大きく影響することも確認できており、使用用途や素材に応じた強度設定がとても重要だと改めて分かりました。

ありがとうございました!

教えて!ニックス

次回もお楽しみに!

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