教えて!ニックスのコーナーです。
以前、教えて!ニックスの第7回、第8回では汎用性プラスチックをはじめとした日常でよく目にするプラスチック素材をご紹介しました。
今回は柔軟性や弾力性といった少し変わった特徴を持つEVA樹脂についてご紹介いたします。
EVA樹脂
EVAとはエチレンと酢酸ビニルとの共重合樹脂(Ethylene-Vinyl Acetate)であり、大きい反発性を有する無色透明のゴム状の素材です。
柔軟性や耐衝撃性に加え、透明性や接着性にも優れているため、フィルムや接着剤などにも使用されています。
EVA樹脂の特徴
EVA樹脂の主な特徴として以下が挙げられます。
1.柔軟性・弾力性
力を加えても反発して元に戻る
低温でも硬くなりにくいため寒い場所でも利用が可能
2.軽い
比重は0.95程度と軽く水に浮く
3.耐久性
耐衝撃性、耐水性が優れており、紫外線を浴びても劣化しにくいため水回りや屋外での使用に適す
また、EVAは酢酸ビニルの含有率によって異なった性質をあらわします。
酢酸ビニル含量率が高いほど柔らかくなり、軟化点が低く、熱溶着力が大きくなります。
含有量を調節することで様々な製品に応用することができるため、幅広い分野で用いられています。
EVA樹脂の用途
成形品 | 玄関マット、ベビーカーのタイヤ |
フィルム・シート | ビニール傘、農業用ハウス、通帳ケース |
発泡体 | サンダルやスリッパ、バスマット、ブロック遊具 |
コーティング | 紙コップ、食品包装紙 |
接着剤 | グルースティック |
ビニール傘
フィルム用途では耐水性を活かしたビニール傘、発泡させると軽さを活かしたサンダル等の靴底やビート板など、身の回りの製品に使用されています。
今回はEVA樹脂のご紹介でした。
EVAは有害物質や塩素を含んでおらず燃やしてもダイオキシンが発生しないため、人にも環境に優しいとされています。