トイレに流せる紙について|教えて!ニックス 第39回

2025年12月8日

紙に関する試験ってどんなものがあるの?

こんにちは。教えて!ニックスのコーナーです。
今回は「水解(スイカイ)性」についてのお話しです。
最近、トイレに流せる紙について試作を行いましたので、その際の水解の実験の様子などを簡単にご紹介いたします。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、是非ご覧ください。

水解性

水解性とは水で解(ほど)ける性質の事を言い、私たちの身の回りではトイレットペーパーが代表的な製品となります。
トイレットペーパーは主に木材パルプや古紙を混ぜて作られており、水に触れた時に水解しやすいよう「でんぷん」を用いて加工されています。
一方で、私たちに身近なティッシュペーパーは濡れても破れないように湿潤紙力増強剤と呼ばれる合成樹脂が添加されていることが多く、水解性はほとんどありません。

水解性の評価 JIS-P4501

JIS(日本産業規格)ではトイレットペーパーにおける「ほぐれやすさ」の品質基準が規定されており、JISの示す以下の方法にて試験、評価を行います。

300ml(水温20±5℃)を入れた300mlのビーカーをマグネチックスターラーに載せ、回転子¹⁾の回転数を600±10回転/分になるように調整する。
その中に一辺が114±2mm角の試験片を投入し、ストップウォッチを押す。
回転子の回転数は試験片の抵抗によって、いったん約500回転に下降し、試験片がほぐれるに従い回転数は上昇し、540回転までに回復した時点でストップウォッチを止め、その時間を1秒単位で測定する。
ほぐれやすさの結果は、試験を5回行い、その平均値で表す。
¹⁾回転子は,直径35mm,厚さ12mmの円盤状のものを用いる。

ビーカー
■ビーカー

マグネチックスターラー
■マグネチックスターラー

回転子
■回転子

実験(予備試験)の様子

■試作品A 規定時間内に水解せず


■試作品B 良好な水解性

今回の試作は「トイレに流せる紙」がテーマということで、JIS規格のトイレットペーパーほぐれやすさ試験を模した予備試験の様子をご覧いただいています。
予備試験で良好な水解性を示した試作品は今後専門機関によるJIS試験へと進みます。

試験片の作製
■試験片の作製

今回は水解性とJIS規格を模した実験の様子をご紹介いたしました。
今後も身近な製品に関する実験の様子などをお届けしますので是非ご覧ください。

ありがとうございました!

教えて!ニックス

次回もお楽しみに!

-教えて!ニックス
-,

Copyright© ニックス株式会社 , 2025 All Rights Reserved.