繊維製品の資源循環|教えて!ニックス 第34回

2025年7月8日

プラスチック以外の資源循環について教えてください!

こんにちは。教えて!ニックスのコーナーです。
環境問題に対する様々な取り組みが進む中、繊維製品においてもリサイクルや環境に配慮した製品設計が求められるなど、環境保全に対する関心が高まっています。
今回はそんな繊維産業と環境をテーマにご紹介します。

繊維製品

繊維製品とは、天然繊維(綿や羊毛、麻など)や化学繊維(ナイロン、ポリエステルなど)を原材料とした製品を指し、衣類やタオル、カーテンなど身の回りの製品に多く使用されています。
しかしながら、繊維製品は生産時に多くの水資源やエネルギーを使用する点から環境負荷が大きいことが課題として挙げられています。

毛糸

繊維製品の資源循環

衣類

環境省の調査によると2022年に国内に供給された衣類79.8万トンに対し、1年間で約73万トンが使用後に手放され、そのうち64.3%は可燃ごみや不燃ごみとして廃棄されています。残りの約36%については古着としての販売や海外輸出などリユースが19%、産業用ウエスや断熱材など、産業資材にするリサイクルが17%となっています。

衣類

衣類内訳

衣類には「混紡品」と呼ばれる複数の素材で作られているものが多く、またボタンやファスナーがついている製品もありリサイクルが難しいとされています。
国内で排出される衣類の約65%が毎年焼却や埋め立て処理をされています。

インテリア

日本国内で生産・輸入される化学繊維(ナイロン・ポリエステル)については約50%がカーテンや毛布などのインテリア向け製品であり、その多くは粗大ごみとして回収され焼却・埋め立て処理をされているのが実状です。

カーテン

業界の取り組み

大手アパレルメーカーでは店舗にて回収ボックスを設置し、リユース・リサイクル品へ活用するなど、資源循環に向けた衣料品回収の取り組みが行われています。
同様に大手インテリアメーカーにおいても不要となったカーテンの回収を店頭で行っており、生地素材や自動車の断熱材などにリサイクルしています。
近年、繊維製品全体の「回収」「分別・再生」「設計・製造」「販売」の4つのフェーズにおける資源循環システムの構築に向けて議論が行われており、事業者に向けた「環境配慮設計ガイドライン(2024年3月)」や「繊維・アパレル産業における環境配慮情報開示ガイドライン(2024年6月)」が策定されています。

今後の課題

従来は環境にやさしい製品として廃ペットボトルを繊維原料にリサイクルし、衣類や不織布マスク、ラグなどの製品に活用されていました。
しかし、近年はペットボトルを新たな食品用PETボトルに再利用するボトルtoボトルの需要が高まり、繊維原料に再生される廃ペットボトルが減少しているため、繊維から繊維への水平リサイクルがより一層求められています。

ありがとうございました!

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次回もお楽しみに!

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