プラスチックの成形方法|教えて!ニックス 第6回

2023年3月8日


プラスチックの成形方法と分類

プラスチック製品ってどうやってつくられてるの?

教えて!ニックスのコーナーです。
プラスチック製品は生産の過程で、成形や切削、印刷、塗装などといった様々な工程を経て、製品として完成します。
数多くの製造工程の中から、今回はプラスチックの代表的な成形方法についてご説明します。

射出成形品


プラスチックの成形では樹脂を加熱して溶かしたものを、金型などを使って形を作り、取り出すのが基本的な原理になります。
成形品の用途や形状に合わせて、プラスチック樹脂の特性を活かして最適な方法で成形します。
前回(教えて!ニックス第5回)はプラスチック樹脂の分類で熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂について紹介しましたが、成形方法についても熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂で分類することができます。

熱可塑性樹脂の主な成形方法

・射出成形(インジェクション成形)
・ブロー成形
・押出し成形
・熱成形(シート成形)
・カレンダー成形
・回転成形
など

熱硬化性樹脂の主な成形方法

・圧縮成形(コンプレッション成形)
・真空注型成形
など

各種成形方法

成形方法の特徴と採用されている成形品についてカンタンにご紹介します。

射出成形

射出成形は注射器のような仕組みで加熱して溶融した樹脂をシリンダーから一気に金型の中に注入して成形する方法です。立体的な成形品をつくるのに適しており、密封容器からバケツ、コンテナーのような大型製品まで広く利用される成形方法です。

射出成形 仕組み

ブロー成形

ブロー成形とは、「吹く」を意味する「blow」という言葉に由来し、中空成形、吹込み成形とも呼ばれます。加熱して溶融又は柔らかくした樹脂を金型に入れ、樹脂に空気を吹き込んで膨らませ、金型に押し当てることで成形します。代表的な製品は、ペットボトルやシャンプーの容器などが挙げられます。

ブロー成形 仕組み

押出し成形

押出し成形では注入口から樹脂をシリンダーに入れ、スクリューと呼ばれるねじを廻して樹脂を前方に送ります。樹脂を送りながら練り、溶融して、金型や口金から押し出すことで成形します。この金型や口金の形状によってフィルムやシート状、袋状となったり、あるいはホースやストローのようなチューブ状やパイプ形状などを成形することが可能です。

押出し成形 仕組み

熱成形(シート成形)

熱成形はシート(プラスチック板)を加熱して軟化させ、型の形状を写し取って成形する方法です。真空状態にして型に密着させて形状をつくる方法と、圧縮空気で型に沿わせて成形する方法の2種類があります。卵パックやコンビニ弁当の容器といった薄肉容器を作るのに適しています。

熱成形 仕組み

カレンダー成形

カレンダー成形とは、加熱したロールの間で樹脂を練りながら溶融させ、複数回ロールのあいだを通して所定の厚さに引き伸ばして成形する方法です。幅の広い平らな製品をつくるのに適しており、フィルムやシート、プレートなどの成形に利用されます。

カレンダー成形 仕組み

回転成形

回転成形とは、大型のブロー成形ともいえる成形方法です。金型を加熱しながら回転させることによって樹脂を金型のデザインに沿って付着させて成形します。他の成形方法と異なるのは金型に投入する樹脂の形状です。回転成形ではペレットを0.5ミリ程の大きさまで粉砕して使います。大型なタンクや容器などの成形に利用されます。

回転成形 仕組み

圧縮成形

圧縮成形とは、熱硬化性樹脂プラスチックの基本的な成形方法です。加熱した金型に成形材料を入れ、圧力を加えて成形します。プラスチックが発明された当初から使用されている古典的な方法であり、現在は台所用品や電気絶縁部品の成形などに採用されています。

圧縮成形 仕組み

真空注型成形

真空注型成形では金型の代わりにシリコンゴム等を複製用の型として使用し、液状の樹脂を流し込み成形します。真空槽の中で真空状態を作り出して成形するため、型の隅々まで樹脂がいきわたり、精密な複製品を得ることができます。小ロットの製品に使用されることが多いため、真空注型成形でつくられた製品を日常的に目にする機会は少ないかもしれません。

真空注型成形 仕組み

ありがとうございました!

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次回もお楽しみに!

 

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