クリーンルームの清浄度と入室|教えて!ニックス 第37回

2025年10月8日

クリーンルームの清浄度ってどうやって決められてるの?

こんにちは。教えて!ニックスのコーナーです。
前回はクリーンルームの概要と主な設備についてご説明しました。
今回は、クリーンルームの清浄度(規格)と入室の方法について簡単にご紹介します。

クリーンルームの清浄度

クリーンルームの清浄度を示すうえでは国際統一規格であるISO規格で定められた分類(クラス1~9)が使用されています。
数字が小さいほど清浄、大きいほど微粒子が多く一般環境に近くなります。ISO規格では立方メートル当たりの空気中に含まれる0.1μm以上¹⁾の粒子の数が基準になっています。
また、1960年代から使われているアメリカ連邦規格(FED)では1立方フィート当たりに含まれる、0.5μm以上の粒子の数でクラスの設定(クラス1~100,000)がされています。
米国式の表記を長く使用してきたため今でも広く使用されていますが、近年では国際基準に適合するため徐々にISO規格に移行しつつあります。

¹⁾0.1㎛=1/10,000㎜ 関連:微粒子のサイズ比較

■ISO規格
清浄度ISO規格図解

産業分野によって求められる清浄度

微細なチリやほこりが製品の品質低下や不良発生の主要な原因となる半導体製造や、異物混入を防ぎ、衛生的な環境が必要とされる食品製造など、求められる清浄度のレベルは業種によって大きく異なります。
清浄度クラスのレベルは業界によっておおよその目安があり、以下の表はクリーンルームのクラス分けと代表的な産業分野に求められるクラスを示したものです。

■清浄度比較表(ISO規格)
清浄度比較表

クリーンルームへの入室

クリーンルームでは着用している衣服や毛髪など、人間が最大の発塵源と言われています。
そのため、入室の際には決められた入室手順に従って付着した塵や埃を落とし、専用の作業服に着替えることで拡散を防ぐ必要があります。
専用の作業服は無塵服やクリーンウェアと呼ばれており、用途に応じた機能や性能など様々な種類があります。

各業界や企業ごとに入室の手順や服装は異なりますが、手洗いやアルコール消毒、粘着ローラーによるほこりの除去、靴底のゴミを除去する粘着マットの使用などがあります。
服装については無塵服に着替えるとともにクリームルーム用のシューズの着用、マスクやゴーグル、手袋等の装着を行います。
すべての準備を終えた後、最後にエアシャワーを通って入室します。

粘着ローラ-
■粘着ローラー

無塵服
■無塵服着用

クリーンルーム入室前
■入室前の最終チェック

今回はクリーンルームの清浄度と入室方法についてご紹介しました。
日々の清掃に限らず、フィルターの管理や交換、空調システムなどクリーンルームを構成する設備機器の定期的なメンテナンスを行うことでクリーンルームの維持管理に努めています。

関連記事はこちら:クリーンルームの仕組み|教えて!ニックス 第36回

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